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タイ北部は地理学的にも民族の交じり合った地域です。英国の植民地であったビルマ(ミャンマー)、インドシナでのフランス、そして歴史的にも大きな力を持つ中国、それらの国々の影響を受けた南東アジアの移民たちがここ、タイの北部に移り住んでいるのです。タイ人自らも1200年以上も前に中国の圧力に押されてこの地へとやってきました。 タイの仏教協会は常にこれら少数民族を見守ってきました。ほとんどの少数民族は中国南部からチベット東部よりの移民です。カレン族はさらに西よりの移民です。移住してから幾十年も、彼らの個性も失われつつあります。 彼らの文化の変化には著しいものがあります。それまでの物々交換経済から貨幣経済への移行です。現在ではほとんどの少数民族は貨幣を使用していますが、このことに関して一部の観光客の方々より残念であるとの意見も聞かれます。Tシャツ、コカコーラ、バイク、テレビ、ピックアップトラックなどなど、私たちの文化が浸透し始めています。 タイ北部ではこれら山岳少数民族は旅行者の良いアトラクションとなっています。少数民族の住んでいる土地はすべてがタイ王国の所有物ですが、山々は少数民族彼らのものなのです。と言うのも彼らの文化の中では土地を所有するという概念がありません。 タイ北部には大きく分けて6つの少数民族(一部の人口はかなり多いのですが)が住んでいます。各々の少数民族は独自の言語、服装と文化を持っています。sしかし、それらのルーツはほぼ一つと言っても良いでしょう。 彼らの最も優れている資質はハンディクラフトです。女性の着ている服装や装飾品にそれらをうかがい知ることが出来ます。しかし、それだけではなく、彼らの考え方、医学、そして人間性にも触れてみることが必要でしょう。 多くの観光客が彼らの生活に触れてみたいと考え、その村落への訪問を希望するでしょう。しかし、そこには大きな文化の違いもあります。また彼らも人間、良い人、悪い人、金持ち、貧乏人、頭の良い人、そうでない人、正直な人、正直でない人、様々な人がいるのも当然です。彼らは特に子供たちに気を遣います。生き延びてゆくために必要な食料や資金があるかと言うことです。どの人々と同じように笑い、悲しみ、恋に落ち、結婚し、子供を作り、そして死んでゆきます。皆さんが彼らを見るように、彼らも皆さんを見ています。お互いにお互いの気持ちを尊重することが一番大切であると信じています。 この地域を旅行されるとこれら少数民族の人々と私たちとの間の生活の違いや環境、そして裕福さの違いに驚かれることでしょう。しかしながらその様な考えは間違いであることに気付くはずです。あるリス族の男性が言いました・・「事実、私は訪れる人々を残念に思うしかありません。彼らは先祖の魂をどのようにしたらよいのか、まったく知りませんから・・」 少数民族の一番の際だった特徴と言えば、そのカラフルな衣装と装飾品ではないでしょうか?かれらの器用さは彼らの使っている道具、バスケット、武器そして楽器にも良く表れています。 各民族は各々独自のカラーやスタイルを持っています。特に服や装飾品に表れています。多くの女性達は今でも伝統的な衣装を身にまとっています。しかしながら男性や子ども達西洋風な服装、ジーンズにT-シャツを好むようになっています。 ほとんどの工芸品は家族の皆で作られています。女性は糸を紡ぎ、織ります。その間、男性は工具を作ったりします。鍛冶屋や銀細工屋は地域の中でも重要な存在となります。 ジュエリーはほとんどの場合、銀を用いて作られます。銀はインドやビルマのコインを溶かして利用されます。もちろん、銀以外にも銅、真鍮、やアルミニウムなども利用されます。ジュエリーは家族によって常に蓄えられ、富としての象徴であり、また新年を祝う行事にも使用されます。 服や民芸品は10年ほど前までは商品価値のあるものとは見なされませんでした。タイ政府と王室の肝入りで、彼らの民芸品などがバンコクなどの中心部で販売されたのがきっかけで、それ以降、大きなマーケットとして成長してきました。現在では、本国のみならず、海外迄へも輸出されるに至っています。 宗教 山岳少数民族はそのほとんどがアミニズム(精霊崇拝)です。カレン族、ヤオ族、アカ族はクリスチャンあるいは仏教が多くを占めています。アミニズムは私たちが生活している所にある全てのものが精霊の対象となり得ます。そんなものまで?」と思うようなものから、当然そうであるべきものまで多種多様です。また、彼らは呪術も信頼しており、あらゆる場面でまじない師(シャマン)が活躍します。 誕生と結婚 誕生は山岳民族にとって一番危険な時でもあります。女性にとって出産は危険を伴い、多くの場合死へとつながります。夫婦の平均の子どもの数は6人、その内、大人になるまで生き残れるのは半数ほどでしかありません。 死亡率は過去30年で劇的に減少してきました。その関係で、山岳民族の総数も上昇傾向にあります。健康管理や教育制度も充実してきており、人口の増加が著しくなってきています。 求婚については民族によりかなりの違いはあります。結婚前は相手を選ばず、自由奔放に振る舞いますが、いざ子どもが出来てしまうと、結婚せざるを得なくなります。一夫一婦が基本ですが、モン族に限り二人目の奥さんを迎えることが出来ます。結婚式は常に壮大なお祭りとなります。新郎新婦の家族にとっては大きな出費となるのは世のどこも同じです。 毎日の生活
ほとんどの山岳民族は農業で生計を立てているため、季節の変化で生活も変わってきます。肥沃な土地のおかげで多種の野菜や果物を収穫できます。また、豚や鶏も飼育しており、大切な蛋白源となっています。お祭りには肉類が多く供されます。男女ともに日の出から日没まで農業を営み、子ども達はお互いに助け合いながら留守の家を守るのが日課となっています。 |